戦車兵の塗装(Nov 12,'97)
 戦車に搭乗させるフィギュアの塗装を行う。顔面や服のしわのシャドウ・ハイライトの付け方は昔からある程度法則があり、欧米の参考書などを見ても大体定番の図が載っているが、表情、特に目は作者によって違いが大きく出るところである。35程度なら目の部分にスミ入れするだけで済ませる人も多いが、私の場合視線にこだわるので眼球は必ず入れるようにしている。眼球を入れるとマンガっぽくなるという意見もあるが、DIORAMAにした場合そのフィギュアの意志が視線である程度表現できるし、ヘッドの向きが少し不自然でも眼球の位置である程度カバーできる場合もある。塗料は乾燥に時間がかかる油絵の具がブレンディングを考慮するとベストらしいが、塗料を混ぜて思い通りの色を作る技術がないのでエナメルを使用している。
 まず目を入れることから始める。あらかじめラッカー系光沢ホワイトで下塗りをしてあるので、黒目を描いた後周囲をブラウンで塗りつぶして目の形を作る。この時点で失敗したらエナメルシンナーで拭き取って、納得いく形になるようにする。だるまの様に最後に黒目を入れるのは中国の名人のように米粒に字を書くような技術がいるが、この方法なら72でもなんとか目を描くことができる。
 次に肌色を塗る。目の周囲は上睫毛が下より太目に残るようにする(下はなくなっても気にしない)。基本色の肌色(XF-15にブラウンを入れて濃くしてある)にブラウン、ホワイト、レッドを混ぜた色で、シャドウ、ハイライト、頬、唇を塗っていく。ここは塗料が乾燥しない方がいいので一体ずつ手早く行う。口が開き気味のフィギュアは口の中にスミ入れをし、最後に眉を細く描いて終了。
 最後に服の塗装であるが、戦車兵の黒服はフラットブラックをそのまま塗ったのではシャドウの色がなくなるので、タイヤ用に作ってあるグレーがかったブラックを基本色にし、シャドウをブラック、ハイライトをジャーマングレーで行った。戦車兵は兵科色のピンクのパイピングが襟章・肩章にあり、車長の搭乗服は1942年以前のタイプとしたので、襟のフチにもある。ピンクの場合黒の上には塗れないのでホワイトの下塗りが必要だし、これを細い面相筆で塗るのは中国の名人のように米粒に字を書くような技術がいるが(しつこい!)、はみ出しは気にせずに塗り、後でピンクを残すように修正すれば何も問題ない。フィギュアなのでムラも気にならない。その他ドイツ兵の場合色々な細かい記章があり苦労させられるが、仕上がりが単調にならないので私は好きです。襟章の中の髑髏マークや黒白赤同心円の国家記章は、虫ピンに塗料をチョコッとのせて仕上げ、はみ出したらカリカリ剥がしている。これを面相筆で塗るのはそれこそ中国の名人のように米粒に字を書くような技・・(゚o*)\バキ。





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